ベートーベン ソナタ月光3楽章

一つの曲をそれぞれが弾いているのをまとめてみよう、という思いつき企画。ポップスでも別人がカバーすると新しい一面が見えるように、それぞれの解釈で同じ曲が違う印象を見せてくれることがよくわかりますな。

マレイ・ペライア。
ごくごくまじめに、お手本のような演奏。

ヴィルヘルム・ケンプ
テンポはほとんど揺らさず、お堅い、ある意味ベートーベンっぽさ満載の演奏。おじいちゃんの時なのでミスタッチは目立つけれども、彼の音楽に対する姿勢がよくわかる演奏。

ダニエル・バレンボイム
古典派を得意とする彼らしく、彼のこの曲に対する「好きさ加減」が良くわかる。テンポの揺らしも含めて余裕たっぷりな感がある。

ホロヴィッツ
なんとなく、「ベートーベン」ではなく、「演奏者の曲」になりはじめました。弱音と強音の幅が広く、またペダルをあまり踏んでないので音があまり濁らない。また、所々で低音のアクセントを効かせて音の輪郭を際だたせている。

グールド
疾走感は抜群。彼だけまったく別の曲を弾いている感がありますな。彼のレコード出版時にはいつも「雑音が入っている」とクレームがつくのだが、実は彼のうなり声でした、なんて逸話が残っていて、この録音もたぶんに漏れず、ヘッドホンで聴くとうなり声が聞こえます。
彼だけ4分台。

グールドとホロビッツに熱狂的なファンがいる理由がよくわかる比較でした。

トラックバックURL

このエントリのトラックバックURL:

コメントする